Q.同居する配偶者と離婚の話し合いをしていましたが、ある日、配偶者が2歳の子どもを連れて、家を出ていってしまいました。配偶者は今まで、育児に熱心ではなかったので、子どものことが心配です。一刻も早く、私のもとに子どもを取り戻したいのですが、配偶者が不在の間に、子どもを取り戻しても良いでしょうか?
A. 離婚前ですので、貴方も親権者ではありますが、一旦、生活の本拠から離れた子どもを、配偶者の許可なく取り戻した場合、未成年者略取罪(刑法224条)が成立する可能性があります。
一方で、離婚をして親権者を決めるまで、調停などを経ると、時間はどうしても掛かってしまいます。そのため、本件のように、離婚が成立するまでの間に両親のいずれが子どもを監護(子どもと共に生活をして日常の世話や教育を行うこと)するか争いがある場合、監護者指定の仮処分という方法があります。これは保全処分という手続ですので、通常の審理手続より早期に判断がされるため、早期解決の切っ掛けになると思います。
ただ、早期に判断されるということは、短い審理期間の間に裁判官を説得する準備が必要となります。これがなかなか大変ですので、申立の前に弁護士にご相談されることをお勧めします。
【監護者指定仮処分を依頼される場合の弁護士費用の目安】
・着手金…30~50万円(税別)
・報酬…30~50万円(税別)