健康診断結果の誤送付

Q.私のクリニックから健康診断の結果を受け取った方から連絡が入り、別の方の結果を郵送していたことが判明しました。すでに誤送付した診断結果を回収したのですが、他に何か行うことがありますか?

A.健康診断結果は、要配慮個人情報(個人情報保護法第2条第3項)に該当しますので、漏えいした場合は、国の個人情報保護委員会への報告、及び、原則として、本人への通知が必要となります(同法第26条)。

 個人情報保護委員会は、「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン・Q&A」を示しており、「報告の対象となる事態」の例示として、 「健康診断等の結果を誤って本人以外の者に交付した場合」を挙げています(Q6-9 )。なお、郵便物が未開封のまま回収された場合には、通常、漏えいに該当せず、報告対象となりません(Q6-13 )。

 

 また、個人情報の漏えいは、プライバシーの侵害に該当する可能性がありますので、健康診断結果を第三者に誤送付した場合は、本人に対し、謝罪を行うことが望ましいといえます。

 

大阪地判令和4年1月27日

医師が、患者の病名,治療方針,血液検査の結果等の情報を,患者の子に漏えいした事案において、患者のプライバシーを違法に侵害するものとし、当該医師に慰謝料の支払いを命じた事例。